ささやかな反論2009年02月17日 01:32

『相当に危ういオバマ政権の経済認識』(大前 研一/日経BP)

http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/169/index.html

> 日本や北欧の90年代の経験ではやっても効果は少なく、
> やらなくても良質な国では人間の身体と同じような
> 自然の経済治癒力・回復力があるものなのだ。

潜在成長力への回帰を指しておられるのかと思いますが、

デフレ入りがささやかれる昨今においては、こちらの方が

「神様でも分からない」議論に思えます。

(何時まで待てばいいの?という点について特に。)


確かに危機時においては、Physical/Monetaryの両方とも

平時に比べて波及効果は限られますが、

そんあこたあ普通にマクロの教科書に書いてあることで、

みんな分かっています。


それでも鳶のにいさんはキャバクラで散財してくれるだろうし、

Money MuitiplierがNegativeになることはないのだから、

例え100円ばらまいて35円でも

「やらなかった時のダメージよりもやったときのコストの方が小さい」

というのは、レトリックというよりは本音だと思います。


他に策がないのだから、しょうがないだろう、と。

効果が限られるから過去最大やるんだろう、と。

日本は量的緩和が遅かったのが悪かったんだろう、と。



中国に対しての認識の下りは興味深く読ませてもらいましたが

米国の経済政策に対しての処方箋については、

「ポールソンのせい」の一点張りで、(実際そうなのかもしれませんが)

本質的にはこちら↓からの考察の深まりが見えません。残念です。

America must seek aid for a global credit line (FT)
http://www.ft.com/cms/s/0/d44a3c0a-8ef0-11dd-946c-0000779fd18c.html?nclick_check=1