円高・モジュール化なんのその 01:05

↑JPY実質実効レート
(日銀のサイトでデータを引いてみた)


久しぶりに勇気づけられる記事を見た。

富士通とソニー、国産パソコン輸出拡大 日中コスト差縮小で(日経)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819696E3E2E297988DE2EAE2EBE0E2E3E39F9FEAE2E2E2;at=DGXZZO0195165008122009000000

Q) 富士通、ソニーがパソコン輸出を拡大する。富士通は生産ライン
に複数の作業をこなせる多機能型ロボットを導入し、2013年度に
11年度の3倍強にあたる220万台を輸出する。ソニーはパソコンの
設計から生産までを長野に集約して「日本製」の旗艦機種をアジア
などに輸出する。国内工場の生産革新と中国の人件費高騰で日中
のコスト差は縮まりつつあり、各社は高品質の「日本製」で新興国
市場を開拓する。(UQ


シンガポール人とのやり取りの実体験。

シ曰く「(筆者のPCを見て)日本人はやっぱりMade in Japanか。」

筆「??君もVAIO使ってんじゃん???」

シ「VAIOはMade in Taiwanの安モノだ。」「FujistuのLaptopはみんな
 日本で作ってるからモノがいいんだろ?」


恥ずかしながら富士通のノートPCが国内製造だなんて、

このとき言われて初めて知ったし、

そのときはモノがいいかまで判断つかなかったのだけど、

幾多の試練を乗り越えて、今もそのFujistuこのブログを書いて

いるところからして、やっぱモノがいいんでしょうな。


パソコンですよ。

コモディティ化して、モジュール化して、水平分業が進んで、

円も人件費も高い日本で、スマイリーに付加価値の無い組立てを

するなんちゃあ、

きゃりーぱみゅぱみゅだって無しだぜ、的な扱いだったパソコンが

輸出3倍強!!ですよ。



「輸出」と言ったら二言目には「円高」が来る今日この頃ですが、

おかげでウチも国際市況系の原材料が安く買えているし、

今の水準なら実はなんとかなっちゃうんではなかろうか、日本企業。


普段は自身の発言の重さをきちんとわきまえて
(どっかのアホ大臣と違って)

慎重な物言いに終始している白川日銀総裁が

「(量的緩和不足との批判は)明らかに事実に反している」

なんて、珍しく率直な物言いをしているように、

データを見る限りは、今の円高も世間の騒ぎ程では無いようだし。
(上のチャート参照)



行けるね。自動車産業、国内に残せるよ。

持久戦に持ち込めれば、そのうち中国はクラッシュするだろうしさ。

頑張ろう、にっぽん。頑張れ、俺。

マスメディアは絶滅危惧種か? ~その2 16:45

~ その1からの続きです ~

ジャーナリズムにおけるマーケットインとプロダクトアウト


講演の中で、
「いい記事を書けば、新聞は売れるんだ!」
というあまりにジャーナリズムを頑なに考える意識が
依然として業界内には強くあり、
それが経営の変化の障害になっているという話がありました。

いきおい、国内製造業の弱体化を招いている
「いいものを作れば、お客は買うのだ!」
という信仰と同じだなぁと感じたのですが、
これに続けて、
「バラエティ的なニュースであっても、
そういうもののほうがより広く受容されるのであれば、
それは立派なジャーナリズムの一形態である」
という様な話をされたときに、
ああこれはジャーナリズムのマーケットインだと気が付きました。

確かに今の日本で、狭義の硬派なジャーナリズムへの需要は
非常に限られているように思います。
内容は濃いけど、限られた人しか受容しないものと、
内容は少々薄いけど、幅広い層に受容されるもの。
どちらが”良いジャーナリズム”ということは言えないし、
テレビのようなマス媒体のビジネスを考える場合には
後者に軸足を置かざるを得ないのは理解に容易です。

ただ製造業の経験からの類推すると、
今後必要になってくるのはむしろ
”硬派なジャーナリズムのマーケットを育てていく”
ことなのではないかと思います。

製造業では、少し前にはマーケットインの大流行があり、
猫も杓子も「顧客に聞け」とやっておりました。
その後、マーケットインだと本当に新しいものは出てこないねぇ、
ということになり、
今は”提案型商品”などと称して、ついこの間まで大否定だった
プロダクトアウト型へのゆり戻しが起こっています。

何が”良いジャーナリズム”なのかという話は、
多分、振り子的に永遠に結論は出ない議論でしょう。
だとすれば、もうちょっと大衆迎合的でない硬派な番組を作り、
そのファンを育てるための努力をしてみてみるのも
逆張り戦略としては、それなりの整合性があるように思えます。
少なくとも門外漢には。

どうもこのままだと我が国は、
ヤンキーが芸人とジャニーズ見て笑っているだけの国になっていく
ような気がして、杞憂だとは思いますが、少々怖いのです。

マスメディアは絶滅危惧種か? ~その1 16:14

ある民放キーテレビ局の経営トップのお話を聞く機会がありました。
タイトルは、その方が使っていた言葉から。

内容としては、衰退が先行するアメリカや新聞の事例
・データを絡めつつ、非常に厳しい経営環境の解説と、
これに対応する経営戦略の一端といったところ。


感じたことをつれづれと。


広告業とジャーナリズム

今回は主に経営の話が主だったので、
広告業の一角としてのテレビがその地位を失っていく中で
どう企業収益を確保していくかという点に焦点がありましたが、
個人的にはもう少しマクロな視点で、より大きな問題を感じました。

ビジネスである限り、広告であろうがテレビであろうが
業界全体の興亡があるのは世の常ですし、
極論をすれば、広告業という業態がなくなったって、
それがそこに需要がなくなった結果であれば別に問題はないし、
それはしょうがないことだと思うのです。

「どこでもドア」ができたら輸送業なんてまるごといらないでしょう?
まあ「どこでもドア」は当分できないだろうし、
広告業がなくなることも多分ないでしょうが。。


むしろ問題に感じたのは、広告が今まで非常に儲かる業態であり、
だからこそマスメディアは高楊枝のジャーナリズムにも
飯を喰わせてやっていたものが、
今後マスメディアが儲からなくなってきた場合、
ジャーナリズムは口減らしにあってしまいやしないかという点です。

講演の中で触れられていましたが、
ネットを中心とした”引用メディア”の氾濫で
“速報性”がその商業的価値を失い
ジャーナリズムはますます金を生まなくなっているそうです。
一方でマスメディア各社が”企業”である限り、
収益性向上へのプレッシャーは強まることはあっても
弱まることはないでしょう。
ジャーナリズムの生きる道は、これまた講演で紹介されていましたが、
NPOという方向にしか無いようにも見えます。


一方で、
ジャーナリズム無きマスメディアは、その影響力ゆえ大変危険で
またそのようなマスメディアしか持たない国もまた、危険です。

”明るい北朝鮮”シンガポールには、テレビ局は一つしかありません。
チャンネルは沢山あります。他民族・複数公用語国家なので。
でも元締めはみんな一緒、政府。新聞も大きいのはひとつです。

シンガポールだって、表向きは民主主義国家です。
実際は、この国の全ては統治者の能力と良心に依存しています。
この虚実一体を成立させているのが、
ジャーナリズム無きマスメディアでしょう。

今は権力者が能力も良心も兼ね備えている(少なくともそうに見える)
ので、シンガポールは非常にうまくいっていますが、
もし歯車が逆に回り、危険な方向に進む時は一気に行くでしょう。
ジャーナリズムを持つマスメディアが果たす自浄作用が
期待できないからです。


ではどうすればよいのか。
個人的には、やはりマスメディアに
今後ともジャーナリズムを支えてほしいと思います。

持論ですが、広告業は、構造的に一番儲かる業態です。
人々や企業の”期待”というあいまいなものに課金する上、
広告主から費用対効果が非常に比べにくいからです。

ネット広告は費用対効果に若干の透明性をもたらしますが、
まあ、「ボロ儲け」が「大儲け」になるぐらいのものでしょう。
それに”広告媒体を作ること”と”広告主になること”の敷居を
格段に下げていますから 業界の拡大に寄与しているはずです。

ネットをうまく取り込んだ広告業を展開できたマスメディアは、
絶対に儲かる業態に返り咲けるはずです。

マスメディアの方々には、
一番儲けやすい業界で商売をしている対価として、
是非ジャーナリズムに今後も飯を喰い続けさせてやってほしいです。
儲けの最大化が企業活動の要諦であるとしても、
CSRもまた昨今の世の要請ですので。


長くなったので、投稿を分けます。

ウェブも“ながら利用”するメディアになってきたということかなぁ 06:31

興味深いグラフが紹介されています。

ネット利用者数、総利用時間、総PV数の推移 2001-2009
http://masashi.typepad.jp/surveyml/2009/05/post-3a17.html

Q)ウェブの利用者数と総ページビュー数は成長が鈍化。
一方、総利用時間は高い成長を続けている。(UQ


利用時間が伸びる中で、ページビューが頭打ちということは、

同じページに留まる時間が伸びているわけで、

それは、

1. ページあたりのコンテンツ量が増加して消化に時間がかかる

→ 感覚的には、利用時間の高い伸び率を説明しきれないように思う


2. ウェブで使われる技術が変化した

 e.g. http://www.jal.co.jp/worldclock/
 こんなサイトだといろいろ遊んでもページビューは増えない(?)

→ 多分大きく影響している(技術には疎いですが。。)


3. ユーザーのウェブの使い方が変化した

→ 推測するに、結構影響している(後述)

ぐらいの理由によるのではないかと思います。


特に3. は、記事中のリンク

Webは「静的ページ」から「リアルタイムストリーム」に変貌
(TechCrunch)
http://jp.techcrunch.com/archives/20090517jump-into-the-stream/

にあるように、


“静的”で“一方向的”な「読む」形から、

“リアルタイムな情報の動的な流れ”に「参加する」形に

変わりつつあるのでしょう。


2chなんて最初からそうだったじゃんか、と言われそうですが、

ま、mixiとかも含めて、それがメインストリームになってきたのかなと。


これは利用時間とページビューの関係に

間違いなく大きな影響があるでしょう。

ブログ書くようになってよくわかりましたが、

「読む」と「書く(参加する)」では、かかる時間が10倍違う。


ただ、変化は違う方向にも進んでいるように思います。

上記の変化を仮に


「積極的(=一応クリックしてるので)受容」から

「積極的参加」への変化

と呼ぶならば、


「消極的受容」への変化

も同時に進行している気がします。


「消極的受容」とは、

要するに、“ながら”でテレビ見ている状態と思って下さい。


自分の例でいえば、

メール書いている裏でYouTubeをラジオ的にかけていたり、

今ブログ(ちなみに「メモ帳」で)書いてますが、

なんとなくロイターは後ろに開いてたり。。


おそらくこんなような使い方も利用時間の伸びに

貢献しているものと思われますが、

上の変化とは根本的に質が違っていて、

なにより既存の広告モデルにとっては

あまり好ましくない変化であるという点で、

こちらの方向への変化にも目を向けておきたいなぁと思う次第です。


GoogleがYouTubeで苦戦していると聞くのも

この辺と関係していたりしないのかな。

20万円カーはポンコツか? 00:45

インドのタタ・モータースが新型車「nano」を発売した。

事前の公約を守って、10万ルピー(20万円ぐらい)で売るそうだ。
(但し工場出し価格なので、小売価格はもう少し高い。)


日本の車業界の人々は、基本的にこの車を

”車”と見なしていない。総じて”ポンコツ”扱いだ。


それが怖い。


典型的な”イノベーションのジレンマ”だ。


YouTubeに上がってくるこれら↓の試乗ビデオを見るたびに思う。

『Tata Nano First Drive at Overdrive』
http://www.youtube.com/watch?v=xr19m8tRZ4g

『Tata Nano driven - first drive』
http://www.youtube.com/watch?v=3sZitve3SUw&feature=related


率直に言って、非常に普通に走っている。



現在のメインストリームユーザーが相手にする車ではない。

動力性能も、安全性も、確かに”ポンコツ”レベルだ。

だからこそ”顧客ニーズ”に応えて製品の改善を続ける

大手自動車会社には開発すら難しい類の車だ。


ここで忘れてはいけないのは、

”メインストリームユーザーは変わる”

ということだと思う。それも2つの意味で。


1つはもちろん、実際に人が変わる、という意味。

nanoのターゲットはインドの2輪車ユーザー。


これからは圧倒的な人口の新興国の低所得者層が

新たに自動車のユーザーに加わってくるのだ。

今のメインストリームが明日のメインストリームである保証は

まったくない。



もう一つは、人は心変わりする、という意味。

nanoももちろん進化する。

上を上を求めていたユーザーが、ふとした瞬間に下を眺め

進化したnanoに気付く日がくるかもしれない。

「これで十分じゃないか。」と。


nanoの燃費は20km/L。

極論をすれば、環境性能は並みの車より高いとも言える。

本体価格の安さと合わせ、経済性の面では既に圧倒的だ。




その昔、国内電機メーカーは、韓国メーカーのDRAMを

「あんなものは使えない」と言っていた。

そしてその「使えない」ものとの競争に負けた。



自動車が日本の虎の子産業であるならば、

nanoカテゴリーでどう戦うのか、真剣に考えないといけない。


”ポンコツ”バイアスに浸り、

「nanoは永遠に収益化しないのでは?」等という

楽観的な推測に安住し、高みの見物を決め込んでいる場合では、

決してない。



参考:

『印タタ、「ナノ」4月発売 新興国の低価格競争、幕開け』 by Yahoo! N
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090323-00000014-fsi-bus_all

『タタ・モーターズ、「ナノ」発売時期は絶好?』 by BusinessWeek
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090304/188042/

イノベーションのジレンマ by Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E