今年最後の2010年01月24日 17:31

「新年明けましておめでとうございます。」

を皆さまに。遅ればせながら。


なんやかんやで帰国してから半年も更新が滞ってしまいましたが、

年も切り替わりましたし、またぽちぽちと書き連ねようかと思います。

気が向いたら懲りずにのぞいてみて下さいまし。



さて、新年一発目ですので、少々硬い話を。


最近、「赤の女王仮説」というのを知りまして、

曰く、

「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」

という『鏡の国のアリス』“赤の女王”の台詞を、

生物学的に

「生存競争に生き残るためには常に進化し続けることが必要」

と読み替えても、

政治学的に

「軍拡競争」

と読み替えても、どうやら正しく検証されそうだということのようです。


折よく日本人が愛してやまない「世界第2位の経済大国」の肩書きを

ほぼ確実に中国に明け渡す2010年。

(為替の塩梅では2009年で既に逆転。。)


特にミクロな国内製造業を営む者としては、

経済学的にも、赤の女王のおっしゃられることは正しそうだと

肌身にしみる今日この頃です。

虎の子とされる自動車産業とて、明日のGMへ首の皮一枚の有様。

他の産業はいわんや。


この先も一本調子で中国は突っ走るのでしょうか?

まあ9分9厘そうなると思います。

そのうちアメリカ捕捉が視野に入ってきて、

また世の中が騒がしくなるのでしょう。


ただ。

残りの1厘。


敵失を探す情けなや日本人にとっての希望の1厘は、

やはり中国の国家体制にあるかと思います。

GoogleへのCrackingや、Avatarの上映禁止騒ぎから察する

中国のInstitutional Qualityの水準の低さ。


非常にマイナーですが、

経済発展に必要な"4I's"といのを唱えている方がおります。

"Innovation" "Initial Condition" "Investment" "Institutions"

の4I'sなのですが、この方によれば、"Institutions"という、

要するにどれだけ法治国家の体をなしているかという点で、

一定の水準を超えない国は、per Capita GDP $9,000あたりで

発展の壁にぶち当たるのだそうです。

その最も顕著な例は、懐かしのソビエト連邦だそうな。


おそらく過去のある時点において、ソ連は今の中国のように

もしくはそれ以上にイケイケだったと思います。

そして、よもや将来連邦が崩壊するなんて、

その当時はアメリカだって予想していなかったのではないでしょうか。

でも歴史は皆さんがご存じの通り。


勉強家な中国のエリートさん達が、Institutional Qualityの低評価に

問題意識がないはずはないと思いますが、

政治とは道理とは別次元の力学で動くものなのであるのは、

洋の東西を問わないんでしょうねぇ。


せめて与えられたこの猶予のウチ、生存のため、

会社を少しでも進化させねばなぁと心に刻む年明けであります。


本年もよろしくお願い致します。

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