20万円カーはポンコツか?2009年04月02日 00:45

インドのタタ・モータースが新型車「nano」を発売した。

事前の公約を守って、10万ルピー(20万円ぐらい)で売るそうだ。
(但し工場出し価格なので、小売価格はもう少し高い。)


日本の車業界の人々は、基本的にこの車を

”車”と見なしていない。総じて”ポンコツ”扱いだ。


それが怖い。


典型的な”イノベーションのジレンマ”だ。


YouTubeに上がってくるこれら↓の試乗ビデオを見るたびに思う。

『Tata Nano First Drive at Overdrive』
http://www.youtube.com/watch?v=xr19m8tRZ4g

『Tata Nano driven - first drive』
http://www.youtube.com/watch?v=3sZitve3SUw&feature=related


率直に言って、非常に普通に走っている。



現在のメインストリームユーザーが相手にする車ではない。

動力性能も、安全性も、確かに”ポンコツ”レベルだ。

だからこそ”顧客ニーズ”に応えて製品の改善を続ける

大手自動車会社には開発すら難しい類の車だ。


ここで忘れてはいけないのは、

”メインストリームユーザーは変わる”

ということだと思う。それも2つの意味で。


1つはもちろん、実際に人が変わる、という意味。

nanoのターゲットはインドの2輪車ユーザー。


これからは圧倒的な人口の新興国の低所得者層が

新たに自動車のユーザーに加わってくるのだ。

今のメインストリームが明日のメインストリームである保証は

まったくない。



もう一つは、人は心変わりする、という意味。

nanoももちろん進化する。

上を上を求めていたユーザーが、ふとした瞬間に下を眺め

進化したnanoに気付く日がくるかもしれない。

「これで十分じゃないか。」と。


nanoの燃費は20km/L。

極論をすれば、環境性能は並みの車より高いとも言える。

本体価格の安さと合わせ、経済性の面では既に圧倒的だ。




その昔、国内電機メーカーは、韓国メーカーのDRAMを

「あんなものは使えない」と言っていた。

そしてその「使えない」ものとの競争に負けた。



自動車が日本の虎の子産業であるならば、

nanoカテゴリーでどう戦うのか、真剣に考えないといけない。


”ポンコツ”バイアスに浸り、

「nanoは永遠に収益化しないのでは?」等という

楽観的な推測に安住し、高みの見物を決め込んでいる場合では、

決してない。



参考:

『印タタ、「ナノ」4月発売 新興国の低価格競争、幕開け』 by Yahoo! N
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090323-00000014-fsi-bus_all

『タタ・モーターズ、「ナノ」発売時期は絶好?』 by BusinessWeek
http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090304/188042/

イノベーションのジレンマ by Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%81%AE%E3%82%B8%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%9E

今日もお昼はさくら水産(2005年12月08日@mixi)2009年04月05日 17:11

なんせ早い、安い。

結構なヘビーローテです。さくら水産。

一人メシの見方。

さすがにウマいとはプライドが邪魔していえないが。


着席する。

まず食券と引き換えにご飯と味噌汁が供される。

おば(あ)ちゃんA が食券を読み上げると
各定食の唯一の変動要素である主菜皿(もち作り置き)を

おば(あ)ちゃんB がいそいそと運んでくる。

この間、おおよそ30秒。

昼のラッシュ時ですら、1分を超えることはまずない。


ご飯、味噌汁、生たまご、味のり、全て食べ放題。

とびの兄ちゃんたちにまぎれ、
卵かけで2杯目のご飯をかっこんでも、500円。

でも、おば(あ)ちゃんズは日本人。

えらい。


ま、少々怖い気もなくはない。


====転載おわり====

懐かしいなあ。

この頃、仕事休んでせっせこ勉強に励んでたっけ。

それで今、シンガポールにいるんだなぁ。

感慨深い。



こちらシンガポールでは、

ホーカーズと呼ばれる、いわゆる屋台村だと

おおよそ SGP 3~5$(今だと300円ぐらい)で一食食えます。

味は値段相応。衛生状態は、、、

まだ一度しかお腹こわしてないので、割としっかりしてるのかも。

もちろんキビシイ店、アヤシイ食物は避けた上での話です。


そう考えると、あの価格設定で、

冷凍モノとはいえ刺身を出せる衛生状態を保ってる

さくら水産って、すごいね。



ちなみに、ホーカー稼業。結構もうかるらしい。

汗と油にまみれて鍋振ってるおっちゃんが、

ベンツでご帰宅される姿がしばしば目撃されるとのこと。


どっかの大学の近くの安弁当屋でも聞いたような話だ。

お金のない人をターゲットにしたビジネスのほうが

儲けやすいのかもね、実は意外と。

みんなを車にする会社~♪ になれるかGM??2009年04月11日 02:06

状況が状況だけに、

苦肉の策でももう少しマシなの出しやがれ的な

失笑を浴びてる感のあるこの↓発表ですが、

セグウェイとGM、新たな2輪電気自動車を共同開発(CNET)
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20391266,00.htm?deqwas_inflow=relation
『Project PUMA(Personal Urban Mobility and Accessibility)』

どっこい。馬鹿にしたもんでもないのでは?というのが個人的は意見。


GMを経営難から救うとかいう類の話でないことは確かですが、

基本的にはトヨタの”パーソナルモビリティ”↓と同方向のコンセプト。

研究・技術「パーソナルモビリティ」(トヨタ)
http://www.toyota.co.jp/jp/tech/p_mobility/index.html

業界トップ2社の将来への展望が近しいというのは、

無視できない事象でしょう。


たぶん共通の基本認識は、

「車に4人乗ってることって、あんまりないよね。」


データは見たことないですが、乗用車の実平均乗車人数って、

たぶん二人にも満たないでしょう。感覚的に。


だとすると、

4人乗りを基本設計とした今の乗用車の設計は

根本的に見直されるべきであって、

(グリーン大事のこのご時世に空気運び続けるわけにもいかんので)

その将来像の提案が“PUMA”であり“パーソナルモビリティ”であり、

直近の現実解がSmartとかIQみたいな車なのでしょう。



車がパーソナル化するというのは、

「一家に一台」が、「一人一台」になるということです。


我々が最近体験した同様のパーソナル化といえば、電話。

日本で言えば、15年ほど前にNTT Personalという会社が

「みんなを電話にする会社~♪」と、やりはじめたあたりから

電話は急速に「家から家」をつなぐよりも

「個人と個人」をつなぐようになりました。


電話が個人単位のアクセスを可能にしたことが

社会に与えたインパクトは計り知れないですし、

現在進行形で大きくなっている気がします。


突飛な例でいえば、腕時計が絶滅の危機に瀕しているとか。

これは携帯に時計が付いているからという理由もさることながら、

以前より“待ち合わせの時間”に対する意識が薄くなっているから、

なんてことも言われています。

だって遅れそうなら携帯に電話すればいいんだもん。



では車が個人単位になったらどう社会が変わるのか?


別になにも変らん、という可能性も大いにありえると思います。

バイクと何が違うの?と問われれば、

まあ安全性ぐらいかな、という気もするし。


それでも「みんなを電話にする会社~♪」を

「なに言っちゃってんだかぁ」と聞いていて、

ぜんぜん先を見通せなかった身としては、

なんだかいろいろなことが起こることを期待してしまいます。

みんなが車になったら、エレベーターってただの縦穴でいいよね、とか

電車ってかえって不効率な乗り物になるかもね、とか。


すごそうじゃないですか?


昔SF映画で見た将来は、案外近くまで来てるのかも。

SFでは往々にして悪の親玉が乗ってけどね、パーソナル乗用車。

見出しと論旨が違いすぎる件について2009年04月17日 00:13

なんか変だなぁと思いつつ読み進むと

「これらのことを勘案すると、FRBがバブルを未然に防げなかったのは、

実務上、無理もなかった一面があるのかもしれません。」

という一文でずっこける記事であります↓

『バブルを招いた“真犯人”はFRB』
-なぜ米国住宅バブルは未然に防げなかったのか?
(日経ビジネスONLINE / 鈴木晋)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090410/191609/?P=2


ぢゃあ“真犯人”って言いきるなよ。


浅い知識で書くのもなんだが、手もとの教科書の受け売りでいえば、

テーラー・ルールは、(少なくとも実務上は)金利上げ下げの

方向性の手がかりとしては有効でも、

金利の適正水準を示すには、不十分とされているし、

第一米国は、(少なくとも公には)目標インフレ率は

設定していなかったはずでは?


しかも住宅価格は重要とはいえ物価の一要素でしかないのだから、

これのみをターゲットにして金融政策をとれるわけがない。


またまた教科書を受け売れば、

局所的な価格上昇(例えば不動産とかガソリンとか)は、

他の価格下落で相殺されるので、
(ガソリン高い=>モノ売れない=>スーパー特売増える、みたいな)

全体的なインフレに対しては中立のはず。

もっともこれは今回の不動産価格上昇によるの資産効果に際しては

説得力を持たないけれど。


今回の危機の基本的な反省としては、

FRBの政策金利はもちろん遠因の一つではあるものの

どちらかといえば、野放図なローンと

素人一般庶民がハイレバレッジに浮かれちゃうことに

法制度的から歯止めをかけるべきだったのであって、


金利をもう少し上げればよかったのに、というのは

住宅の問題だけ見れば、そう言えるかもしれないけれど、

経済全体で考えると、本当???というところだと思う。



もちろんこんな程度のことは

元内閣府国際経済担当企画官であらせられる著者様は

百も承知に違いない。


だから中盤からは、「FRBもつらいよね」的な話になり、

後半にいたっては、「バブル抑止ってそもそも誰の仕事??」と

いつの間にか論点提起に変わっている。


誰が“真犯人”やねん。


この記事は次回に続くようなので、

そこでやっぱりFRBは真犯人になるのかもしれない。


ただ、予告的に並んでいる“金融監督のツール”としての

“自己資本比率規制”や“時価会計”という言葉から察するに、

これらを政府が行使できないからといって、やっぱFRBのせいだ!

というのはちと厳しいと思う。

上にも書いたようにバブルには群集心理みたいな社会学的な

要素が多分に絡むわけで、金融政策だけで対処しようとすることに

そもそもの無理があるのだから。


もちろんもちろん。

こんな程度のことは

元内閣府国際経済担当企画官であらせられる著者様は

百も千もご承知に違いない。


とすると、下衆の勘繰りによれば、

改めて見直してもやっぱりヒドイこの記事の見出しの付け方は、

編集者の仕業かしらん?

いつも思うけど、ジャーナリズムの質の低さは

日本の停滞の責任の一端を担っている。間違いない。


それとも官僚殿は、庶民はどうせ理解できないだろう、

とタカをくくられておるのかしらん?

大衆夕刊紙が喜んで報じるマインドセットで。。



いづれにせよ、なんとも微妙な記事でありました。

さすが与謝野一門(2005年12月14日@mixi)2009年04月18日 17:24

巧みな表現だ。↓

与謝野金融相「美しい話でない」
* みずほ証券が発注ミスしたジェイコム株を
多くの証券会社が取得したことに対して
(リンク切れにつき割愛)

返すかな?
返すんじゃないかな。一応プロだもんねぇ。

====転載おわり====

証券会社は美しいと思われたかったので、この後お金を返しました。

最初から美しいなんて、誰もこれっぽっちも思ってないのにね。


参考:

ジェイコム株大量誤発注事件(wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%A0%E6%A0%AA%E5%A4%A7%E9%87%8F%E8%AA%A4%E7%99%BA%E6%B3%A8%E4%BA%8B%E4%BB%B6

こんなに詳細に書くほどのことかなぁ。。


みずほ証券によるジェイコム株の誤発注問題は「美しくない」
(極東ブログ)
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2005/12/post_786c.html

たぶん実情はこんな感じだったんだと思う。


与謝野家の人々(与謝野馨 Official Web Site)
http://www.yosano.gr.jp/yosanoke/index.html

馨ちゃん、与謝野鉄幹・晶子の孫です。マジで。


おまけ:カオルちゃん最強伝説
http://www.youtube.com/watch?v=IVsokH0HD_4&feature=related

竹内力最高。



馨ちゃん、このときも内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策担当)

だったのですが、いまやさらに財務大臣まで兼務して、ある意味、

権力の頂点。


たぶん総理大臣になるより難しいのではなかろうか、このポジション。

肩書きの長さはキム・ジョンイルみたいだもんね。

こっちの馨ちゃんもやっぱり最強。



インタビューだって英語で答えちゃう↓
http://www.ft.com/cms/4fe40d1a-07b4-11dd-a922-0000779fd2ac.html?_i_referralObject=1060565310&fromSearch=n

ドラクエのラリホーってきっとこんな感じなんだろうな。。


ま、別にそんなに応援しているわけでもないんですが、

政治屋家系じゃないのにのし上がってすごいなぁとは思ってます。

でもだめですよ馨ちゃん、「死んでもいいんです」なんて言っちゃあ。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090226/134972/?P=4

あなたは与謝野晶子の孫なんですから。